英語学や英語史を勉強していると最初に現れる壁といっても過言ではない【古英語の弱変化動詞と強変化動詞】……難しくありませんか?
私も最初に受けた試験がボロボロすぎて不合格で泣きました。でも安心してください。
そんな私でも最終的にS評価(最高評価)で英語史を合格する事ができました。
この記事では授業で作ったレポートなどをまとめ、以下の内容について例を多めに出して解説しています。3分程度で読めるボリュームとなっておりますのでぜひ学習の参考にご利用ください。
- 弱変化動詞と強変化動詞とは何か?
- 現在の規則変化・不規則変化とどう関係しているか?
本記事を読んで学べる事
- 古英語の【弱変化動詞】とは
- 古英語の【弱変化動詞】の例外
- 古英語の【強変化動詞】とは
- 古英語の【強変化動詞】の例外
- 古英語の【弱変化動詞・強変化動詞】と、現代英語の【規則変化・不規則変化】の関係性
目次
【古英語】弱変化動詞・強変化動詞とは【規則変化・不規則変化との対比】
古英語の動詞は強変化動詞と弱変化動詞がある。
強変化動詞とは
強変化動詞(strong verb)とは、接辞は付加せずに不定詞の語幹の母音を次々に変化させて過去形・過去分詞をつくる動詞のことである。
活用は語幹の母音交替(アプラウト)を伴い現代英語ではswim-swam-swumなどの不規則変化動詞に相当し活用の形は7種あり、それぞれの変化パターンがある。
- ī + 1子音
- ēo または ū + 1子音
- e + 2子音
- e + 1子音 ( lまたはrと、brecan 'break')
- e + 1子音 (閉鎖音または摩擦音)
- a + 1子音
- 上記のどれにも当てはまらないもの
強変化動詞の母音交替(アプラウト)は不定詞、直説法過去単数1・3人称、過去複数、過去分詞の4つにみられ、これらを強変化動詞の基本形という。
※古英語の「不定詞」は「動詞の原形」を指し、現代英語の「(to)不定詞」とは異なる
例
不定詞 - 過去単数 - 過去複数 - 過去分詞
singan(=sing) - sang - sungon - sungen
ここでの変化のパターンはi-a-u-uである。
強変化動詞は全て過去複数形は-onで、過去分詞は-enで終わる特徴がある。
過去形には単複の区別があったが、中英語後期に統合され、基本形は不定詞、過去、過去分詞の3つになった。
※もしここまで読んでさっぱり分からなかったらこの続きも同じく難しいと思います、英語史の基礎から学ばれることをおすすめします。
私も英語史を勉強する1冊目に使わせていただいた慶応大学文学部(英米文学専攻)教授 堀田隆一先生の『 英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史 [ 堀田 隆一 ] 』を初学者の方へオススメします。
弱変化動詞とは
弱変化動詞(weak verb)とは歯茎閉鎖音接尾辞を加えてつくる動詞のことでインド・ヨーロッパ語族ではゲルマン語派のみにみられる特徴である。
現代英語ではlook-lookedなどの規則変化動詞に相当する。弱変化動詞は3種の変化クラスに分けられ、基本形は不定詞、直接法過去(単数1・3人称)、過去分詞の3つであった。
弱変化動詞の3種の変化クラス
動詞の語幹の母音に「i-母音変異」(i-ウムラウト)を引き起こすもの
i-ウムラウトの及んだ範囲の違いで、さらに2つに分けられるが、どちらも過去形は-ede, -de, -te、過去分詞は-ed, -d(d), -t(t)のいずれかで終わる。
ウムラウトがすべての語幹に起こった語例
例)set:settan - sette - seted, sett
ウムラウトが不定詞だけに起こった語例
例)seek:sēcan - sōhte - sōht
動詞の語幹の母音に「i-母音変異」i-ウムラウトが起こらないグループ
不定詞-ian、過去形は-ode、過去分詞は-odで終わる。
例)love:lufian - lufode - lufod
上記のどちらのクラス属さないもの4語
これらは歯茎閉鎖音接尾辞を添加し過去形・過去分詞をつくるので弱変化動詞に分類され、過去形は-de、過去分詞は-(o)dで終わる。
- have:habban - hæfde - hæfd
- think:hycgan - hogde - hogod
- live:libban - lifde - lifd
- say:secgan - sæġde - sæġd
弱変化動詞・強変化動詞の変化の推移【古英語・中英語・現代英語】
中英語で先に述べた弱変化動詞のどちらのクラスにも属さない4語以外の2つのクラス間でかなりの入れ替わりが起こった。
現代英語では、以前は強変化動詞だったものが弱変化動詞の形成の安易さによって規則変化動詞になったものが多くあり、規則変化動詞が多数を占めている。
この点から古英語期の屈折重視から現代英語の語順重視へとシフトしているのが窺える。
今後の語形変化の予測と感想
私はこの簡略化は更に進むと考えており、名詞の複数形の語尾、動詞の3人称単数現在形の語尾についても100年以内には使わない地域や年代相が一定数現れるのではないかと想像している。
古英語の動詞の屈折は非常に複雑で多く、屈折により格が決まるため語順が比較的自由で あった点は語自体が変化する英語と、格助詞を+するという日本語は相違点はあるものの非常に似ていると感じた。
一方でこれを第二言語として学ぶことを考えると日本語以上に複雑でとても大変なことになることがかんたんに想像できる。
屈折の概念を理解するメリット
一方でメリットもうかがえる。
インド・ヨーロッパ語族の諸言語は、屈折を駆使することで文を組み立て るという共通点があり、屈折の概念を理解できれば、インド・ヨーロッパ語族に属する他の言語の習得にも役立つであろう。
【古英語】弱変化動詞・強変化動詞とは【規則変化・不規則変化との対比】まとめ
以前は強変化動詞だったものが弱変化動詞の形成の安易さによって現代英語では規則変化動詞になったものが多くあり、現代英語では規則変化動詞が多数を占めている。
本記事を読んでなんとなく理解できた方で、もっと知りたい、更に理解を深めたい貴方に広島大名誉教授 安藤貞雄大先生(高知出身)の『 英語史入門 現代英文法のルーツを探る [ 安藤貞雄 ] 』を強くオススメします。
例文が多く理解が深まります。
また、おすすめの英語史の参考書があれば教えていただけると喜びますのでコンタクトからメッセージまたは、コメント欄を使ってコメントいただければ幸いです。
学割の有効利用!!
アマゾンプライムの学割プランPrime Student会員をご存知でしょうか?
特典の一部を紹介すると次のようなものがあり、私は利用していた月額音楽配信サービスと、動画見放題のサービスを解約しPrime Studentに乗り換える事で固定費が年間で1万円以上節約できているので、もしや自分も!?と思った方にはおすすめです。
- 200万曲以上の音楽が聴き放題
- 対象の映画・TV見放題
- 本・マンガ・雑誌見放題
- アマゾンで購入時のお急ぎ便が無料で使い放題
- 本購入で最大10%ポイント還元
- Amazon Photosでフォトカメラ・スマホで撮った写真を容量無制限でCloud Driveに保存、どこからでも閲覧可能
もし詳細が気になったらこちらをご覧ください、公式に飛びます。
Prime Student
プライムスチューデントに入会するとどんなお得があるか、私の実体験を踏まえメリット・デメリットを解説しています。↓
プライムスチューデントPrime Student【無料体験】