英語の大母音推移について例を多く用い簡潔にまとめています。
ぜひ参考にしていただき学習にお役立てください。
本記事を読んで学べる事
- 英語の大母音推移の歴史
- 大母音推移による音の変化
- 大母音推移が起った原因
大母音推移とは【英語史】
大母音推移とは言語学者 Jens Otto Harry Jespersen に命名された現象で、イングランド英語の歴史上MEからModEへの過渡期にあたる15世紀ごろから17世紀ごろまでに起った母音体系の一連の変化、この期間の英語の音韻史である。
英語の大母音推移とは【現象】
長母音の舌の位置がいつの間にか上がる現象が発生した事がきっかけで、中には18世紀まで数段階を経て変化を続けた音もあり、その時期に現代英語とほぼ変わらない発音と綴りに発展した。
強勢のある長母音の舌の位置が一段づつ上がりこれ以上高く出来ない［i:］と［u:］は音の割れを起こし次のように二重母音化した。
- 長母音［i:］が二重母音［aɪ］に変化
例：time「ティーメ」→「タイム」
- 長母音［u:］が二重母音［aʊ］に変化
例：loud「ルード」→「ラアウド」
中英語時代の発音と現代英語の発音では上に示したように違いがあるが、これらが現代英語の英単語の発音と綴りが一致しない現象の大きな原因になっている。
母音変化の推移（中英語→現代英語）
- ［i:］が［aɪ］に変化
knight「クニート」→「ナイト」
- ［εː］が［i:］に変化
beat「ベェート」→「ビート」
- ［aː］が［eɪ］に変化
name「ナーメ」→「ネイム」
- ［ɔː］が［oʊ］に変化
home「ホーメ」→「ホゥム」
- ［o:］が［u:］に変化
cool「クォール」→「クール」
- ［u:］が［aʊ］に変化
found「フウーンド」→「ファウンド」
英語の大母音推移が起った原因
大母音推移以前は、母音の綴りは発音に忠実で一致関係にあったが大母音推移後一定のズレが生じた。短期間で大きな変化が起こったが原因については定説がなく現在も研究が続いている。
最後に。
英語史ちゃんと勉強したいなと思った方へ私も使ったオススメの参考書を２冊貼っておきますのでぜひ参考にしてみてください。
初学者向け、私も英語史を学習の１冊目に使わせていただいた慶応大学文学部（英米文学専攻）教授 堀田隆一先生の『 英語の「なぜ？」に答える はじめての英語史 [ 堀田 隆一 ]
』を特に初学者の貴方にオススメします。
英語史を少し勉強した事ある方、本記事の内容をある程度理解出来た貴方へ、広島大名誉教授 安藤貞雄大先生（高知出身）の『 英語史入門 現代英文法のルーツを探る [ 安藤貞雄 ] 』をおすすめします。
わかりやすい例が多く理解が深まります。
また、貴方のおすすめ英語史の参考書があれば教えていただけると幸いです。本記事下のコメント欄もしくは、トップページ上端にあるコンタクトからお願いいたします。
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