本記事は英語の系統とルーツについて解説しています。
英語史を学習している方の参考になれば幸いです。
本記事を読んで学べる事
- 英語の系統とルーツ
- その他ヨーロッパの言語のルーツ
英語の系統とルーツ【英語史】
インド・ヨーロッパ語族の下位区分語派には、インド語派、イラン語派、アルメニア語派、アルバニア語派、バルト・スラブ語派、ギリシャ語派、イタリック語派、ケルト語派、トカラ語派、ヒッタイト語派、そしてゲルマン語派があげられる。
この中で英語のルーツはゲルマン語派にある。
ゲルマン語（派）の4つの特徴
１. 強勢：「語頭アクセント」第一音節に置かれる（動詞（名詞）の接頭辞は除く）。弱音節ができる。
２. 子音の変化：「グリムの法則」ゲルマン語における子音推移（インド・ヨーロッパ祖語からゲルマン祖語への分化の過程で起きた音韻変化）
- 有声破裂音+帯気音から有声破裂音への変化bh → bなど
- 有声破裂音から無声破裂音への変化b → pなど
- 無声破裂音から無声摩擦音（帯気音）への変化p → fなど
- 唇音，歯(茎)音，軟口蓋音，唇軟口蓋音の４ 種類の閉鎖音に起こった体系的な「ずれ」で３系列の調音方法が摩擦音を含む別の「障害音」（obstruent）に移行した。
https://ceskymoff.com/grimms-law/
３. 動詞組織の単純化：現在と過去の2時制
インド・ヨーロッパ祖語には，現在時制のほかに過去時制に類する次の３種類のアスペクトを 区別する語幹があった。
ゲルマン祖語はアオリスト語幹を破棄し、未完了語幹を「現在語幹」、完了語幹を「過去語幹」に置き換え，アスペ クトの対立から２種類の時制組織に再構築した。
４. 弱変化動詞：-d(t)を含む接尾辞による過去形
もともと動詞ではなく，名詞・形容詞・他の動詞から派生した動詞
【古英語】弱変化動詞・強変化動詞とは【規則・不規則変化との対比】
ゲルマン語（派）の分類
ゲルマン語（派）は東ゲルマン、北ゲルマン、西ゲルマンの3つの下位区分さる。
東ゲルマン語グループ
いずれも死語となっているが、記録が残っている唯一の言語はゴート語でとても古い言語である。
北ゲルマン語グループ
スカンジナビアの言語で構成され、西北欧と東北欧に分かれる。
アイスランド語、ノルウェー語（ニューノルスク）は西北欧に、デンマーク語、スウェーデン語、ノルウェー語（ボックモール）は東北欧に属す。
西ゲルマン語グループ
西ゲルマン語グループは次の3区分に細分できます。
- 高地ドイツ語
- 低地ドイツ語および低フランコニア語
- アングロ-フリジア語
高地ドイツ語
現在ドイツ、オーストリア、スイスの大部分の公用語となっている。
低フランコニア語
オランダとフランダースの国語に発展。
低地ドイツ語
北ドイツで多くの方言の基となる。
アングロ-フリジア語グループ
英語とフリジア語があり、この二言語間には多くの共通点がある。
フリジア語
フリース人はかつて偉大な船乗りだったが、彼らの力は衰退し、フリースランド語は現在シュレースヴィヒ海岸、およびオランダの沖合の島々でのみ使われている。
英語
英語の系統は以下のようになる
インド・ヨーロッパ語族ーゲルマン語派ー西ゲルマン語グループーアングロ-フリジア語グループー英語
以上となります。更に内容を深掘りされたい貴方にはこちらの参考書を参考にしてみてください。
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